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病気の人や口臭には口腔ケア(口の中の手入れ)が重要 [2016年04月22日]
口腔ケアをするとしてない人に比べて肺炎発症率が低下するため
要介護高齢者で口腔ケアをしている患者さんとしていない患者さんで、肺炎の発症率が19%から11%に減少した。
『より良く食べるはより良く生きる』p17の表
食事介助中にお口の中に食べ物が残ってしまう・・・ [2016年04月15日]
嚥下がしにくい状態ですが、2パターンあります。それは・・・
- 嚥下反射の起こりが遅いタイプ
- 嚥下反射の動きが弱いタイプ
(1)はムセが生じ、(2)は飲み込んだ後にガラガラ声になります。嚥下がしにくく、誤嚥を起こしてしまうのですが、(1)と(2)ではトロミのつけ方を変えなくてはなりません。
- (1)のタイプ:トロミの粘性を強くします。
- (2)のタイプ:粘性は緩めに食べ物がまとまる位でいいです。
嚥下しやすい(飲み込みやすい)安全な姿勢とは・・・?
- リクライニング位
- 顎ひき姿勢
- 対象者の方と同じ目線での食事介助(顔が上向き(顎だし)姿勢にならないように)
※リクライニング肢位でできるだけ疲労を起こさせずに、重力を利用し食べ物の送り込みをさせ、顎ひき姿勢で食道に対して気管を上にして気道?肺に食べ物ができるだけ行かないようにします。
発声練習で期待できる効果
主に食事に関する効果を挙げました。
「パ・バ行」
きたえる場所:両唇音・唇
食べ物をとりこむ時、飲み込む時の唇を閉鎖する動きを強化します。
「タ・ダ行」
きたえる場所:歯茎音・舌の先
舌の先と上顎で食べ物を押しつぶすときの動作を強化します。
「カ・ガ行」
きたえる場所:奥舌音・舌の後ろ
鼻腔との交通の遮断し、食べ物を飲み込む時に咽頭に送り込まれる動作の関連を強化します。
「ラ行」
きたえる場所:反り舌音・舌の先、硬口蓋音
飲み込む直前の舌の動き、食べ物を舌の上にまとめる動作の関連を強化します。
介護保険利用の手順 [2016年04月08日]
介護保険 練馬区に在住の方(他の地域在住の方でも参考にはなります)
医療保険と介護保険と大きく2つの保険に分かれています。医療保険の利用は、医療機関を受診される際に、窓口で保険証を提示して、医療サービスを自己負担分の支払いのみで受けられます。
介護保険の利用には申請が必要です。
介護保険サービス利用の手順
介護保険サービスを利用するにあたり、どのように進めていけばよいか、最初は解らない事が多いと思います。
まずは、相談される事をオススメします。
相談窓口
高齢者相談センター
練馬高齢者相談センター | 03-5984-2774 |
---|---|
光が丘高齢者相談センター | 03-5997-7716 |
石神井高齢者相談センター | 03-5393-2814 |
大泉高齢者相談センター | 03-5905-5271 |
高齢者相談センターとは
高齢者相談センター(地域包括支援サンター)・同支所は、高齢者のみなさまが、いつまでも住み慣れた地域で生活ができるように支援するための拠点です。
介護に関する悩みやご心配ごとのほか、健康や福祉、医療に関するさまざまな支援を行っています。
介護保険の申請
申請の窓口は高齢者相談センター・同支所または介護保険課です。本人のほか家族でもできます。
申請に必要なもの
1)申請書
練馬区の窓口に置いてあります。練馬区のホームページからもダウンロードできます。
2)介護保険の保険証
40-64歳の方は健康保険の保険証が必要です。
申請書には主治医の氏名・医療機関名・所在地・電話番号を記入する欄があります。
かかりつけの医師がいる方は、確認しておきましょう
要介護認定
申請をすると、訪問調査のあとに審査・判定が行われ、介護や支援が必要な度合い(要介護度)が決まります。
1)訪問調査
練馬区の担当職員などが、ご自宅などに訪問し、心身の状態や日頃の生活、家族・居住環境などについて聞き取りや動作確認を行います。
2)主治医の意見書
練馬区の依頼により主治医の意見書を作成します。※主治医がいない方は練馬区が紹介する医師の診断を受けます
3)一次判定
訪問調査の結果や、主治医の意見書の一部の項目をコンピュータ入力し、一次判定を行います。
4)二次判定(認定審査)
一次判定や主治医の意見書などをもとに、保健、医療、福祉の専門家が審査します。
要介護認定の期間内に状態が悪化した場合
期間内に心身の状態の悪化など、必要となる介護の状況が変わった場合には、区分変更のための申請ができます。
申請場所・申請手続きは初回・更新のときと同じです。
結果の通知
結果は申請から原則30日以内に通知されます。要介護度に応じて、利用できるサービスや介護保険で認められる月々の利用限度額が違います。
結果がまだ届いていないけど、すぐにサービスを使いたい場合
申請後、結果が通知されるまでの間でも、「暫定ケアプラン」を作成して届け出ることで介護サービスが利用できます。
ただし、「非該当」となった場合や、想定していた要介護度より低かった場合は、自己負担となるのでご注意ください。
ケアプランの作成
居宅介護支援事業者や高齢者相談センター、介護保険施設と契約し、本人の意向などをふまえ、どのようなサービスをどのくらい利用するかなどを決めるケアプランを作成します。
サービスを利用する
サービスを提供する事業者と契約し、ケアプランに基づいてサービスを利用します。
利用にあたっては、費用の1割または2割や居住費・食費などが自己負担となります。
要介護認定の更新手続き
要介護認定には有効期間があります。継続してサービスを利用するためには、有効期間が終了する前に、更新手続きが必要となります。
引っ越した場合、要介護認定はどうなるのか?
引越し先でも、引っ越す前に認定されていた要介護度に基づいてサービスが利用できます。
転出の際に「受給資格証明書」を受け取り、転入から14日以内に引越し先の区市町村に要介護度の申請をしてください。
介護サービスの種類と費用 [2016年04月01日]
ケアプランの作成・サービス利用についての相談
ケアマネージャーにケアプランを作成してもらうほか、安心して介護サービスが利用できるよう支援してもらいます。
ケアプランの作成および相談は無料です。(全額を介護保険で負担します)
ケアマネージャー(介護支援専門員)とは
ケアプランの作成、練り直しなどを行います。要介護認定の申請代行や介護サービス事業者との連絡調整も行います。
居宅(自宅など)で暮らされるか施設で暮らされるかで、受けられるサービスが異なります。
居宅や施設のどちらで暮らしていくかを決める事が先決になります。
施設の種類
- 介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム) 新規に入所できるのは、原則として、要介護3以上になりました。現在、既に入所している方は、施設での生活が続けられます。また、入所後に要介護度が改善しても引き続き、施設で生活ができます。
- 介護老人保健施設 介護やリハビリが中心の施設です。
- 介護療養型医療施設 医療が中心の施設。
- 有料老人ホーム 入居金や月々の費用が高価である反面、随時入居可能。介護が必要な方にとって、介護サービスがついているので、安心です。
- サコージュ(サービス付き高齢者住宅) ご自身が受ける介護サービスの事業者を施設ではなく、ご自身で選択できるのが特長です。かかりつけの先生に引き続き、訪問診療してもらいたい方には最適です。
- 高専賃(高齢者専用住宅) 施設ではなく高齢者向けの住宅になります。自由度が高い反面、介護サービスなどは、ご自身でケアマネージャーと相談して、決めていく必要があります。自立して生活できる方に適しています。
より良く食べるはより良く生きる [2016年03月25日]
点滴ではなく腸管栄養からの栄養補給が免疫にも良い
私たちのからだは簡単に言えばドーナツのような筒状になっており、真ん中の穴が口から肛門までの通路に当たります。
筒の外側は皮膚、内側は粘膜に覆われています。
この粘膜の表面積は、シワで折りたたまれていますが引っ張って広げると皮膚の表面積の200倍以上になり、その広さはテニスコートの約1.5面分に相当するといわれています。
体の内側とはいえ考えようによっては外側にあたる粘膜の表面は、いつも様々な異物、外敵にさらされています。
口唇、口、歯にはじまり大腸、肛門にいたる消化管の粘膜表面は、食べる、飲む、吸う、出すという仕事や栄養を吸収する仕事をしていますが、一方で常に体に合わない物や微生物の侵入の危険にさらされています。
そのため腸の日側の壁(腸管)表面の絨毛といわれる微細なシワに免疫という体を守る仕組みがあります。
そこは無限に近い物質を取り込んでいますが、病原体の侵入を阻止し、体を守る最前線でもあるのです。
長期にわたる点滴などで、この粘膜がつかわれなくなると粘膜の機能が低下し、同時に免疫の機能までが低下することも知られてきています。
そのため最近では病気療養が長引いてくると、できるだけ早く腸管粘膜や、口からの栄養を補給することが重視されてきています。
入院患者さんに栄養サポートが必要
腸管や口から栄養摂取できるような管理をするスタッフが必要です。
通常、病気で入院をすると、医科に受診しているので、お口の中の管理が、おろそかになり、歯磨きすらしていない、歯ブラシを持ってきていない、入れ歯を忘れたなどの事を訪問歯科診療している歯科医師として見聞します。
お口のケアをせずに、点滴をしたまま、粘膜を通過せずに栄養摂取を続けると、免疫力が低下した状態で、感染症にかかりやすい状態で治療を受けていることになります。
体の感染症には、厳しくチェックをしている、お医者さんですが、お口の中までは診てはくれないことが多いです。
医師、歯科医師が連携して、こうした問題が起きないように、我々、歯科医師は病院と連携していけるよう努力していきます。
病気の人や口臭には口腔ケア(口の中の手入れ)が大事
口の中には多くの微生物が生息し、繁殖し(歯垢)、食物のかすも残りやすいものです。
これらは口臭の原因になります。それらの微量の汚れが、のどから気管に知らない間に流れ込むことがあります。
とくに脳梗塞などの病気で、のどに麻痺があったりすると、食べる時にむせたりしますが、これらの汚れも知らないあいだに気管に流れ込むことが多いのです。
流れこんだ汚れは肺炎を起こす危険性が高く、いのちを脅かすこともあります。
自分の力で口の中の清掃が十分できない方の口の中をきれいに保つ口腔ケアは、このようにして生じる肺炎を減らすことに役立っています。
口腔ケアは歯をきれいにするだけでなく、歯ぐきや舌の表面、ほっぺたの内側や上あごの表面、入れ歯などの口腔内のすべてをきれいにすることです。
これは口からものを食べられない方にも大切なことで、口臭を減らし、口の中もさわやかになり気持ちのいいものです。
また、こうして口腔ケアをすることで、口の中の感覚が刺激されて、麻痺して失われていた機能を回復すうリハビリにも役立っています。
口腔ケアを受けている患者さんでは受けていない方に比べて、肺炎の発生率が19%から11%に低下したというデータがでています。
歯磨き適切にして歯周病を改善すると糖尿病も改善する
糖尿病の人たちで、歯周病のある人と、ない人を長期間調べていくと、重症の歯周病の人で糖尿病の状態が2倍以上悪いことも分かっています。
糖尿病によって歯周病に罹りやすくなり、その歯周病で糖尿病もまた悪い影響を受けているといわれています。
唾液で発ガン物質が激減
唾液は日ごろ「つば」と呼ばれ、何かきたない物のように思われています。
これがとても大切でたくさんの働きをしているのです。
口の中には大小いろいろの唾液を作るところ(唾液腺)があり、1日に1〜1.5リットル分泌され口の中に出てきます。
腸で吸収されてからだの中を循環しているので、あまり感じないのです。
からだの外に排出されるおしっこ(尿)の量が1日1〜2リットルですから随分多い量です。
唾液には脂質やでんぷん、糖を分解する酵素、抗菌作用のある物質や老化防止ホルモンなどが含まれ、口の中や食べ物を滑らかにする作用もあります。
その他に、唾液に含まれている酵素には発ガン物質として知られている食品添加物や体の異常によって発生する有害な活性酸素を減らす作用があります。
発ガン物質の毒性として有名なトリプ_P_1(魚の焼きこげ)、AF_2(食品添加物、現在使用禁止)、4NQO(発ガン物質)などを一定の時間唾液と混ぜておくとその毒性が激減します。